中国古代文字とは…

甲骨金文辞典抜粋

私達が日々使っている漢字のルーツ、それが中国古代文字(甲骨・金文文字)です。この文字は、今から三千数百年前の中国・殷(いん)時代後期に現れたといわれています。

殷の国の王は祭政一致の神権政治を行い、あらゆる物事を行うにあたり神の意思をたずねていたそうです。神の声を聞くためには占いが用いられ、亀の甲羅や牛の骨(=甲骨)を火にあぶって出来た亀裂の入り方によって吉凶を知り、その結果を刃物で甲骨に刻みつけていました。これを甲骨文字といい、とても硬いものに文字が刻まれているため直線的な形が多いのが特徴です。

ほぼ同時期に青銅器に鋳込まれ始めた文字を金文文字といい、こちらは比較的素材が軟らかいため丸みを帯びたかわいらしい形のものも多く、「蛙の午睡」の作品ではほとんどこちらを使用しています。

古代の人々は自然界のあらゆるものに神霊が宿っていると信じ、神々や祖先を敬い、自然の恵みに感謝しつつ暮らしていたようです。そうした古代人たちの息吹を感じ、素朴な字形に宿る言霊パワーを受け取っていただけたならば幸いです。